
今回は、東京で整骨院を運営している、 小田切麻合先生にインタビューをしてきました。小田切先生は、現場経験が豊富で知識・技術も幅広く持たれ、内臓治療等を取り入れた施術を提供しています。
治療家としてだけではなく、講師業なども行なっており、業界内でも多方面から取材を受けるなど、注目度も高く人気・実力を兼ね備えています。インタビューでは、患者さんにサプリメントなどの説明する際、どうしても専門的な説明 になりがちな部分を、どう患者さんにお伝えているのかを聞いてきました。

はじめは、物販商品を患者さんに提案するタイミングがわかりませんでした。なので、まずはサプリメントを売る時に、「症状の原因は内臓にある」ということを指標にしました。
例えば、肩こりや腰痛で来院された患者さんの原因を考える時に、ABC疲労回復整体でもやっているように、TL( セラピー・ローカリゼーションの略。筋反射を応用した検査法)をして反応を出してみる。そこに対して内臓の治療を加えてみました。その際に、「この内臓にはこのサプリが合うな」という感じで、内蔵ごとに対応するサプリを振り分けてみたんです。「患者さんの内臓の状態を確認しながら対応する商品を決めていった」というイメージです。
もう少し詳しく解説すると、治療中にサプリの事はお伝えしていません。治療の流れの中で、仮に”脾臓とか免疫系で問題あり”と反応がでる患者さんがいたら、”あっ、このサプリだな”という感じで、先に商品の特定をしていました。そして、実際に手技で内臓治療をして、治療後に変化や効果をみせた後に商品の提案に持っていきます。
手技による内臓治療は、メニューとしても提供していますし効果もあります。けれど、自宅でもケアできるものとして「物販商品があるんですよ」っていうスタイルで患者さんへ商品を紹介しています。もちろん、提案できる商品はサプリだけでなく、けんこう枕という提案も選択肢の1つにあります。来院されて内臓治療をすれば変化は出ますけど、症状を作るもともとの原因は、やはり患者さんの生活の中にありますので。(小田切先生)

サプリメントやけんこう枕などの物販商品の提案方法は、購入する価格が苦にならないように提案してます。例えば「食生活の改善」を考えた時に、「毎日オーガニック食品を食べようと思ったらお金がかかりますよね。オーガニック食品は高いですからね。それだったら、1カ月~2カ月、2万で使えるサプリの方が安上がりだと私は思いますよ」と患者さんにご提案しています。でも「絶対に良いですよ」と商品を勧めることはしません。「私も飲んでますよ」という形で商品の良さを伝えるようにしています。
他には、「マック(マクドナルドのメニュー)食べちゃっても、このサプリ飲んでれば、まぁいっか♪」という軽い感じでもお伝えしてます。けれど、ただ軽く伝えるだけじゃなくて、「自分が商品を飲んでる(使っている)」っていうのが、前提にあることがポイントですね。
患者さんに勧めるサプリメントを自分でも使ってることをお伝えした上で、「食生活の改善は大変だから、サプリという解決策もありますよ」という流れです。「お金もかかるし、毎日献立を考えて、添加物も気にして、食事の用意なんか出来ないですよね?ぶっちゃけ。」このような流れで提案しています。(小田切先生)
物販商品を提案するタイミングに悩む先生には参考になる事例です。小田切先生が考えたのは「内臓の状態を基準に、商品を提案する」という視点。患者さんの体の状態に合わせた商品の提案を可能にする視点です。治療家の先生が売りたい商品は無理に勧めることはしません。患者さんの生活の中に潜む問題点・症状の原因。その解決策として物販商品があるという提案方法で、患者さんが物販商品を受け入れやすい状況を作ることができています。
実は、この事例は物販だけに使えるものではありません。新しい施術メニューの導入にも使える方法です。症状別のメニューを作るにも効果的ですし、そこに自宅ケアとしての物販も合わせて提案してあげることで、患者さんからの信頼も治療院の売上も向上させることができます。

具体的な臓器名と商品名を出した事例を1つお伝えすると、脾臓だったら免疫系の臓器になるので「阿拉善(あらぜん)」というサプリメントになります。あとは、症状別にも分けてみて、アレルギーとかアトピー持ってる人も「阿拉善(あらぜん)」という感じです。物販サプリの中で1番よく売れるサプリは「禅(ゼン)」というサプリです。
「禅」というサプリは内臓だけじゃなく、血液の流れにも効果があります。なので「血液循環が良くなることで体が良くな る」ということを患者さんにお伝えして、そこから商品の提案をしています。
提案する際、おすすめのポイントはABC疲労回復整体を組み合わせることです。ABC疲労回復整体では血流の改善が目に見てお伝えできるので、患者さんに体の変化を伝えやすいからです。
具体的には、治療する前に「血液ドロドロだったら筋肉もこんなに硬くなるし、体の可動域もこんなに悪くなるんですよ」と患者さんにお伝えします。治療後は「血液サラサラにしたら、こんだけ良くなるんですよ。」と、きっちり症状の変化をお伝えしています。そこから「このイイ状態の体を保つんだったら、やっぱりサプリとかで自宅ケアもやった方が良いと思うんですよね。」という流れでお伝えしています。

もう1つのポイントは、患者さんに日頃から「血液の循環とか質が重要なんだよ」という知識を、店舗のご案内ブックや治療中のビフォーアフターでお伝えすることです。物販商品を提案する前の段階で、患者さんの中に必要な知識がインプットされている状態を自然に作ることができます。あとは施術後に、「こんなに体が変わるの、なんでだと思います?」と質問したりします。質問することで患者さんは「血液サラサラを保つためには、どうすればいいのか?」という事が気になって、どうすればいいのか聞いてくれます。
そのタイミングで「血液の流れが良くなると、さっきよりも体の動きが良くなるんですよ。」と言って、検査して施術後の変化をうまく伝えたり「筋肉が柔らかい状態を作るのは、サラサラ血液のおかげなんです。だから、やっぱり血液が一番大事なんですよね」と言いいながら、患者さんと会話してます。(小田切先生)

ダイエットを絡めたときは、物販商品がよく売れました。商品は禅(ゼン)ですね。2万ちょっとのサプリで便通も結構良くなるので、下腹ぽっこりの女性の人なんかはおすすすめです。ABC疲労回復整体の効果だけでも痩せていくのにプラスして、体型が気になる方には「これ多めに飲んどくと痩せてくんですよ」と言って、食前に禅(ゼン)を少し多めに飲むことを勧めしています。
なので、完全に手技と組み合わせて提案しているイメージです。そうしないと、いろいろな商品説明をしても、ただの健康情報になってしまいます。そうすると患者さんが「自分とは関係ない」と思ってしまうんです。それだと、身近なものには感じてもらえませんし、商品も1万円以上のものしかないから、価格面でも商品購入のハードルが高くなってしまいます。
気をつけることは、ただ商品説明だけをして、患者さんに「なんだよ、サプリ売るためかよ」と思われると印象を作らないことです。、商品のチラシなどは、あえて触れず、最後の最後でご提案するときに使っています。(小田切先生)
小田切先生は、こまめに患者さんと知識の共有をしていました。それが患者さんに、物販商品を使う理由を自然と与えています。患者さんも自分の体をケアできる方法を自然と意識し、その答えとして、物販商品がある。という認識が生まれ、自然と売上につながります。
商品価格の見せ方も非常に参考になります。施術と物販を組み合わせて効果を体験させることで、物販商品は「身体のケアに必要なもの」という患者さん自身の認識を、自然と強くすることができていました。
このやり方であれば、けんこうラボで取り扱っている物販商品にも十分使うことができるます。取り扱っている商品は、本当に良いものだけれど、価格が高いから患者さん提案することに気が引けてしまう、抵抗感がある。という先生には、ぜひ取り入れてほしい方法でした。

サプリメント以外に売れた商品は、整体枕です。結局、眠れないとか睡眠の質が悪くなっていくのは、副交感神経と交感神経のバランスが取れてないからです。だから、自宅ケアとして整体枕を使ってもらう提案をします。「枕で整体して、内臓を休めて、副交感神経をどんどんどんどん働かせてリラックス効果を高めることが、もっと大事なんですよ!」とお伝えてしています。
ポイントは「どういう状態が副交感神経が働いてるか」ということを、患者さんに分かりやすくお伝えすることです。副交感神経を視点にして体の変化を見せたということです。伝え方としては「筋肉が緩んでる状態では、足が凄く軽くなって、足の動きがよくなります。でも今はすごい緊張してるじゃないですか?この状態で枕を入れると、こんなに足の動きがよくなるんですよ」と言って、患者さん自身が変化を体感できるように伝えています。
やっぱり『枕』『睡眠』『リラックス』っていう3つの要素は大事だと思うので、副交感神経が自然と視点になりました。(小田切先生)

副交感神経からの視点は、是非、他の先生も使っていただけたら嬉しいです。患者さんは、リラックスするために「健康器具とか欲しい」と思う方が多いので、健康器具の代わりとして枕の提案ができます。でも実は、提案の言い回しやアイディアは、けんこうラボの先生がシェアしてくれる内容をちょこちょこ盗んでるんです(笑)実はそれが1番手っ取り早い方法です。
結局分かりやすい説明をしないと売れない。だから、例え話の引き出しはいくらあっても足りないですよね。ある1人にこの言い方が響いたからって、他の人に同じ言い方が響くわけじゃないので。だから、その方がどんな様子なのかな?というのを見ています。食べる事が好きだったら「食べること」をメインで話の引き出しを出す。体を動かす事が好きだったら「体を動かすほう」で話の引き出しを出しています。だから引き出しボックスは結構作りたいんです。

私が言葉の引き出しを、おしゃべり上手な人のしゃべり方から集めています。セミナーとかでいろんな先生に会って、そこで参考にしています。あとはテレビとか雑誌。雑誌は「ゆほびか」とか「壮快(そうかい)」とかの健康雑誌です。『黒酢でマイナス10kg驚異のダイエット法』とか、じっくりは読まないですけど、健康雑誌のコピーって、結局一般の人に一番響くコピーじゃないですか。だからそういう健康雑誌とか、ちょっと怪しいな、と思うやつでもコピーはチェックしてます。大枠をチェックしておいて使えるものは拾っておく、という流れです。患者さんのために、分かりやすい言葉を探してるイメージです。
わかりやすい言葉は、患者さんのために必要です。結局、治療家は知識があるとそのまま喋ってしまうけれど、それだと患者さんに伝わらないです。治療家あるあるなんですけど、「神経回路のこと説明している自分、なんか気持ちいい!」みたいな(笑)でも患者さんからしたら、いきなり脾臓とか言われても、「はぁ?」となってしまうんです。なので脾臓について知ってもらいつつ、それがどういう役割してるのかっていうのは、出来るだけわかりやすく伝えます。本当にもう、教育テレビレベルぐらいの簡単さで伝えるようにしています。(小田切先生)
高額な物販商品を売ってく場合は、施術にしっかりと紐付けるような説明の仕方をすることが大切です。そこを前提として患者さんに合わせた、治療のストーリーを伝えることです。「治療を1つのストーリーと考えて、そのストーリーの中に商品とか、食事の知識であるとか、必要な情報を組み込んでいく」っていうように設定する事が重要なポイントです。(小田切先生)
おかげさまで物販では、ひと月最高で70万円の売上を作ることができました。この数字は原価(仕入れ値)での数字なので、利益はプラス30%ぐらいです。高額サプリは、1つ25,000円前後の価格、販売用のけんこう枕も3万円以上します。なので、私の事例が高額商品を売る1つの参考にしてもらえればと思います。(小田切先生)
小田切先生は、治療院経営において大切なことを教えてくれました。それは物販を扱う時にも施術と組み合わせて提案することです。治療家の先生は、患者さんの症状を改善するために、日々手技や知識の研鑽をしています。そうした知識を治療院での施術だけではなく、患者さんのセルフケアに結びつけることにフォーカスしています。
このやり方は、一見難しそうに見えますが実は簡単にできる方法です。そのやり方の答えは小田切先生が教えてくれた、伝わりやすい言葉を見つけることと、私生活に紐づけてあげるだけです。これは、普段の施術でも同じことが言えますよね。新しいメニューを導入する時にも使えるので、ぜひ活用してください。
けんこうラボでは、そうした言葉がけや説明の方法やタイミングも日々会員の先生からシェアされています。もし自分で探すのは大変だと思われるなら、そうした実践の中で作られた成功パターンを手にいれることもオススメです。何よりすぐに売上に直結しますからね。


